灰釉

当窯の「釉薬部長」ウマノ君がまた新しい釉薬をつくりました。
本人が「青灰釉」「黄灰釉」と名付けているきれいな光沢が特徴の釉薬です。

釉薬は数千年も昔、土器を焼く窯の中で草木の灰が土器にくっついて灰の成分と土器の成分が結びついて生まれたと言われています。その後「窯」の技術が発達してより高い温度で焼くことができるようになり釉薬の種類もどんどん増えていきました。
次第に草木・薪を燃料とした窯からガスや灯油、電気の窯が主流となって釉薬の起源と言われる「灰釉」も材料となる天然の草木灰を安定して手に入れることが難しかったり精製に大変な手間がかかるため高価だったりすることから徐々に使われなくなっているようです。
そんな中、陶芸作家としてのウマノ君は果敢に灰釉にこだわった作品を作りつづけていて(いや「果敢」という温度高めな感じじゃなくて、もっと常温的に「好きだから」のようですが…)いつか自分が見つけた土と灰と薪の窯で「かっこいい器」をつくるんだと言っています。
器づくりの様式美としての「美しさ」「かっこよさ」に魅せられて一生懸命つくる器は「つくる価値のある器」だと思います。一方で仕事としての器づくりにはつくる価値の換金という厳しく高い壁があって、そうそう簡単に生計を立てられないことも事実。
でもきっとそう遠くない日にウマノ君の思いや作品がちゃんと認められるようになると信じています。この社会はなかなかロマンティックですから。
写真のお皿は当窯の器ですが、ウマノ君は今度の春の陶器市に出店しますのでぜひぜひお越しの際には手に取ってみてください。(遺跡広場という場所です。)居眠りしていることが多いのでお買い求めいただく際には少し大きめの声掛けをお願いいたします。

担当:ヨシザワヤスヒサ

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