今度の陶器市に新たに当窯メンバー4名が出店します!
と言ってもそれぞれ数十点ずつをすでに個人で出店しているメンバー(イシイさん)のお店の一角に置いてもらうという小さな小さな陶器市デビュー。
数ヶ月前から仕事の合間にちょっとずつ準備を進めてきて、いよいよ製作本番!という段階になりました。
振り返れば、十数年前に自分たちも恐る恐る陶器市に出店してから、多くのメンバーがやっぱりはじめはわずかな作品をお店の片隅に並べるところからスタートしてきました。少しずつ自信がついてきたら最後は自分だけのお店をという具合にお客さんの前に出るのはすごく勇気がいるわけで、こわばっている気持ちをお客さんにほぐしてもらいながら、そう結局お客さんに勇気づけてもらいながらひとり立ちしていきました。
器には多面的な価値、簡単に言うと色んな楽しさがあると考えています。
「つくる楽しみ」「使う楽しみ」それから写真で「見せる楽しみ」ってのもある。陶器市ではお客さんに買ってもらう楽しみ(売る楽しみっていうのかな~)があって、それは仕事としてものづくりに携わる者としては一番大事なこと、やりがいとも言うかも。自分で考えてつくった器をお客さんが手に取ってくれて、「かわいい」とか「素敵です」なんて言ってもらえたらそれはそれはうれしくて「よし!またがんばってつくろう」となるわけです。
お客さんに喜んでもうおうと、自分が持っている経験とか技術とか知識とかそういう本当は誰かを喜ばせるために蓄えてきた力をフルに使って器を完成させてあとは思い切ってお店に並べる。それが陶器市で器を売るという仕事です。日々の一見単調な作業を通して蓄えられた力は誰かに喜んでもらうことで何倍にも飛躍して、やがてどんどん魅力的な作品ができてくる。
これからが楽しみです。
担当:ヨシザワヤスヒサ