割れたり、欠けてしまったりした器、みなさんはどうしていますか?
インスタグラム(@onthetable_nakahara)にも、たまに「器が欠けてしまったのですが、何か直す方法はありますか?」などのコメントをいただくことがあります。その際に「金継ぎがおすすめです」とお答えさせていただいているので、今回は自宅で作業した時の様子を含めて、「金継ぎ」についてちょこっとご紹介したいなと思います。
『金継ぎ(きんつぎ)』は、漆で接着し、継いだ部分にさらに「金」を塗り、修復する伝統的な修理法です。
約2年前の夏、金継ぎ作家のナカムラクニオさんが開催しているワークショップに行き、初めてその方法を知ることができました。以前は、器を割ってしまったり、欠けさせてしまったりしたら、泣く泣く処分していたのですが、『金継ぎ』を学んでから、壊れた器も手放すことなく、自分の手で再生できるようになりました。
最近は、ナカムラクニオさんの「はじめての金継ぎBOOK」を使って金継ぎを楽しんでいます。 本格的な金継ぎは、天然の“うるし”を用いるのですが、こちらのキットは“新うるし”といって簡易的な合成樹脂でできたものを使います。初心者向けなので、とても簡単に金継ぎができます。
年末にも器好きの友人と一緒に、壊れてしまった器たちを金継ぎしました。
私は、落として割ってしまった「冠をかぶった白鳥皿」を。「金」を重ねる瞬間がとても綺麗で、思わずうっとり♪ お皿に元々施してあった王冠の「金彩」部分とも相まって、新たな魅力が光る一枚になりました。
その他にも、長く愛用してきた器たちを修繕…。
(私は、まだまだ綺麗に仕上げるには練習が必要そうです。仕上がりは、大目に見ていただけると嬉しいです・笑。)
金継ぎをすることで、金の装飾が入り、より魅力的な器になりますし、自分の手で直すことで、さらにその器への愛着が大きくなる気がします。
大切なものを長く使う方法のひとつ、「金継ぎ」。半年に一度は修繕の時間を設けて、徐々にマスターできればと思っています。
金継ぎの道具や簡易キットは、ホームセンターなどでも見つけることもできるそうです。春は、新しいことに挑戦するのにぴったりな季節なので、金継ぎをはじめてみる!というのもおすすめです。
<追記>ついこの間行われたアカデミー賞の授賞式での、ドレスコードのテーマが「サステナビリティ(持続可能性)」だったのだそう。そのテーマのもと、ある女優さんが、別の授賞式で着用したドレスをリメイクして参列した様子が放映されていて、とてもメッセージ性の強い取り組みだと感じました。
「修繕して、より魅力的に使う」という部分で共通している「金継ぎ」。
「サステナビリティ(持続可能性)」を意識しながら、暮らしを彩る “モノ” との付き合い方をより一層、考えていきたいと思いました。
ナカハラ