テクノロジー化

一見「手づくり」の反対側にある言葉のように感じる「テクノロジー」。
でも器づくりをしていて強く感じるのは「テクノロジー化」が必要だということ。
そもそもテクノロジーってどういうものかとネットで調べてみると(いろいろ難しい説明があるけれど)要するに「生活に役立つ科学技術」。
もちろん器づくりには長い歴史があって、その時代その時代の技術が反映された機械が数多く発明され、これまで磁器・陶器ともにテクノロジーによって産業化がはかられて大きく成長してきました。そしてその技術が可能にしたのは器以外の製造技術もそうであったように一元的に「量産化」ということでした。とにかく社会にたくさんのモノを提供することが大事だった時代に必要だった量産化のためのテクノロジーが豊かな消費社会をつくっていったのだと思います。
今の時代ちょっと否定されがちな「量産技術」って実は「工夫×時間(歴史)の集合体」みたいなものでモノづくりにはどんな時代であっても不可欠なもの。ガス窯や土練機など器づくりに欠かせない数種類(かなり少ない・・・)の機械なども「量産化」の過程で作られたもので、これからも形は多少変わっても残っていく大事なテクノロジーです。ただ、「つくるためだけの技術」オンリーだと、消費意識がアップデートされた社会に受け入れてもらいにくくなった。例えばアイフォンがどこでどうやってつくられているかを考えているひとはあまりいなくて、「使ったらこんなふうに楽しくなる」ってことばかり考えているわけです。
じゃあ器屋にとってこれからはどんな技術が必要かというと「生活を豊かにする技術」だと思っています。たくさんの器を届けるだけでなく「器を使うことで食卓が楽しくなる」をかなえる技術、そう、インターネット。自分たちが普段考えていることやいいなと思っていること、それから大事にあたためているアイデアをちゃんと伝えることができるインターネット技術をさらにどのように工夫したら「楽しい食卓」そして「器と楽しい日々を」送ってもらえるか毎日考えています。
ずっと昔から変わらず器づくりの真ん中にある「手仕事」や「職人的経験や知識の蓄積」と先人が苦労して見つけ出し磨いてきた技術、そしてその時代ならではの新しい技術の3者がある黄金比で組み合わされることで「生活を豊かにする力」を得るのだと信じています。
と大きなことを言ってもその道のエンジニアがいるわけでもないただの器屋で、つくれるのは器とちょっとした道具くらいなのですが考え方として「テクノロジー化」を標榜したいとそういうことです。
そして、、、つい先日発明した機械を発表します。「粘土成形機」です。
「先人が苦労を重ねて見つけ出した技術」に分類します。

担当:ヨシザワヤスヒサ

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