ただの職人

 

石膏型職人の高橋さんと仕事をして一ヶ月あまり、これほど毎日誰かの横で夢中で働いた経験はなかったなーと思っています。
朝早い日は6時過ぎには作業場に来て昨日つくった型の手直しなどをしていて、休憩時間にお茶や菓子を口にすることはほとんどなく、5分ほど椅子に座って水を飲んで終わり。(昔話が延々と続くこともありますが…)
どうやら家に帰ってからも仕事のことが頭から離れないようで、朝3時に目が覚めて「あそこの手順を間違えたなぁ」とか「ああすれば良かったなぁ」とか考えはじめてそのまま眠れなくなってしまうこともあるんだとか。
また、「型屋は瀬戸屋の下請け」(*年配者は窯元のことを「瀬戸屋」と呼びます。)という意識がとても強く、納品した製品に満足してもらえなければ二度と注文は来ないからとにかく一生懸命いい石膏型をつくろうと努力し、そうやって生活を守ってきたそう。「オレは芸術家にはなれない、ただの職人」。
つくづく思うのは、高橋さんにとって仕事とはワークライフバランス的なやわらかな調和成分が含まれるものではなく「ワークイズライフ(work is life)」というような支配的、絶対的なものなんだと。そうでなければ齢82、体重わずか40キロほどの体で数十kgの石膏を軽々と持ち上げることなど到底できません。
仕事への厳しい姿勢が「ただの職人」をつくるんだと思いました。
ただの職人は饅頭とビールとカラオケが大好きです。これ秘密です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

担当:ヨシザワヤスヒサ

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