春の陶器市に続いて秋の陶器市も中止になりました。
この半年で色んな「当たり前」がすごい勢いで「当たり前じゃない」にひっくり返っていって、当たり前じゃないことが当たり前になるという何ともややこしい事態になっています。
そんな混乱の中、身近にあった「陶器市」がどこかしら手の届かない場所に行ってしまったことをつくづく寂しく感じます。
先日、陶器市に参加している当窯メンバーのひとりが「なんだか自分の仕事に身が入らないんだよ…」とつぶやいていて、改めて「器づくりの仕事」がどういうメカニズムで動いていたのかはっきりしたような気がしました。
真ん中にあるのはやっぱりお客さんとのリアルなコミュニケーションです。人と人。
目の前で自分のつくった器を楽しそうに手に取ってくれる、そして買ってくれる、そういうシーンひとつひとつを目で耳でそして体全体で感じること。いたって単純でエモーショナルでセンチメンタル(?)。
陶器市はそういう舞台です。
メンバーそれぞれが寂しさや悔しさ、そして力の入れどころがあいまいな不安な状態を抱えながら、この半年のサイレントスローガン「今やれることをやろう」を胸に作品をつくり続けています。
春に続き秋にも開催される「益子WEB陶器市」やお店での展示会など、今までとは違った場所に、きっと今までとは違う心持ちで作られた器が並ぶことと思います。
ご期待ください。
よしざわ窯もアウトレット市の準備に入ります。
担当:ヨシザワヤスヒサ