できることとできないことの線引き

現在30名をこえるメンバーでそれぞれが比較的得意なことを持ち寄って作業を分担しながら器をつくり販売しています。よしざわ窯はもともと陶芸の経験も小売りの経験もそしてインターネットリテラシーのかけらも持ち合わせていない素人が集まってスタートした経緯から、それぞれの「できること」をつなぎ合わせてつくれる器をつくって、自分たちのやり方で販売するが基本的なスタンスです。
この15年あまりずっとそういうふうにやってきました。
もちろんロクロ職人だった父親やまわりの製陶仲間、窯業学校の先生などたくさんの人の技術サポートがあってのことなので窯業の地である益子町の包容力に感謝しかないのですが・・・

そんなわけで「内製=自分たちでつくる」にずっとこだわってきました。(というよりそれ以外の方法を知らなかったが正しい)
ところがどうしてもうまくつくれないものがありました。模様の入ったカップやごはん茶碗です。
約10年さまざまな方法で製作してきましたが結局最後に形が崩れてしまい、安定生産とはほど遠い状況が続きました。そんなときにたまたま益子に来ていた岐阜県の型屋さんとの出会いがあり、自分たちが内製してきた石膏型の不十分さや製作技術の稚拙さを穏やかに遠回しにそして否応なしに思い知らせてくれたのです。
試作段階から当たり前のように細かい模様がきれいに出るし、焼成後のゆがみもない。それはもう圧倒的な技術の差への驚きというか、、、ぜひ力を貸してくださいということになりました。

自分たちでつくるという作業の純度にこだわり過ぎて、つくってみたいという好奇心の温度が下がりかけて危うく「つくれない器はつくらない」になってしまうところでした。
できることとできないことが必ずあって、その線引きを意識しながら技術と好奇心を同居させられたらきっと面白いモノがつくれるんだと思います。

よしざわ窯は「自分たちのつくれる器をつくる」から「自分たちのつくりたい器をつくる」にほんの少しだけアップデートしました。

担当:ヨシザワヤスヒサ

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