ドーン!
ドーン!!
ぺちぺちぺち……ドーン!!
よしざわ窯の「たたらづくり」の作業場の朝は、そんな音から始まります。
音の出どころは、粘土。
たたらの石膏型にあわせて、粘土を成形する音です。
日によって、そこに鳥の声や雨音、木々がさやさやと風になびく音が重なります。
そう書くと爽やかな感じですが、たたらづくりでは朝が一番の力仕事の時間です。
毎朝、つくりメンバーが大きな粘土のかたまりをたくさん運んできて
両手で持ちあげ、作業台にたたきつけるときに、ドーン!と大きな音がします。
そうして型と粘土の大きさをあわせることで、粘土をむだなく使うことができるのです。
ぺちぺち…と両手でたたいて微調整がおわった粘土をスライスしたら、準備完了。ひと仕事終えてからが、「たたらづくり」の本番です。
ここまでの粘土の成形作業を、つくりメンバーのみんなは、朝からこともなげに次々とこなしていくのですが……わたしがたたらづくりを体験した当初は、これがとっても難しくて。
粘土の固さ・やわらかさは、気温や水分の含有量によって大きく変わるので、いつも同じ力加減ではうまくいきません。
粘土にあわせて具合を調整しつつ、太くして広げたり、細く長くしたり。
いかに手数を少なくすませるかを考えながら進めるのですが、まっすぐなつもりが曲がっていたり、きれいな「まる」にならなかったり……
そんなこんなをしているうちに、周りの作業台には次々ときれいな形の粘土が積みあがっていくのでした。
みんなの早いことといったら!
……そんな思い出があるので、朝はいつも尊敬のまなざしで、つくりメンバーのみんなと粘土を見つめるのでした。
今日も早い。すごい。そして、きれいです。
おまけ☆
今日の作業場で一番、大きな粘土を準備したソエタさん。
「ひとり南半球です。夏にクリスマスなんです。」
夏季限定のクリスマスリース皿、現在製作中です。
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カワハラ