大きなチャレンジ

器づくりをはじめて十数年、ようやく「圧力鋳込み」という製法にチャレンジする機会を得ました。記録か何かを調べたわけではないのであくまでも個人的な推測ですが、世の中に出回っている多くの器はこの製法で作られているのではないかと思います。そんなわけで製法自体は器が量産されはじめたころからある標準的なもので主に西日本の主要な産地で一般的に行われている器の量産製法なのですが、当窯にとって大きなチャレンジとなるのは、その製法で器を作る場合に必須道具となる石膏型から自分たちでつくろうとしていることです。器づくりのための道具づくりというまったく専門外なことにチャレンジしています。ちょっと分かりにくいので詳しい説明は省きますが、この石膏型づくりは外注で専門業者にお願いするのが一般的で1アイテム数十万円という大変高額な費用がかかるほどいわば難しい作業で、専門の技術と相当な経験・知識が必要とされる、ちょっと近づくことすらはばかられる仕事です。
当然自分たちだけでは太刀打ちできないので今回強力な助っ人を招きました。益子随一の石膏職人のタカハシさんと鋳込み職人のタカトクさん。
齢80を過ぎたタカハシさんは半世紀以上も石膏型づくりを続けてきた鉄人的な職人さん。弟子でもなんでもない自分がその分厚い技術に触れることなど本来はありえないことですが、一年越しのお願いを聞き入れてくれてここ一ヶ月ほど熱血指導してもらっています。50年以上もたった一人で鍛錬を重ねて技術を身に付けてきた職人ですから口での説明よりも「やってみせるからよく見ておけ」的指導。(というか言葉での説明はほとんど理解ができません。。。)
ちょっと足踏みしていると「そんなんじゃあこの先には行けねぇよ」と叱咤されながらなんとか前進と後退を続けている感じ。今日は半歩後退しました。ゴールは遠しです。

十数年前はロクロ職人の父親を中心にロクロでたくさんの器をつくっていました。それから機械ロクロをしばらく使って、今はたたらづくりが中心、そしてこれから圧力鋳込みによる器づくりにチャレンジしようと思っています。きっと世界中にはもっともっと色んな器づくりの方法があって、それらを順番に網羅的に全部自分たちのものにしていきたい。
そして色んな器をつくってみたいと考えています。欲張りに。

担当:ヨシザワヤスヒサ

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