益子に来てちょうど1年半が経ちました。

益子に来てちょうど1年半が経ちました。この仕事をするまで陶芸について何も知らなかったのですが、ここ益子で日々発見と驚きにわくわくドキドキしながら少しずつ知識を吸収しているところです。

最近の発見と言えば、“釉薬づくり”の難しさを知ったこと。
釉薬はおおまかに石と土と金属でできていて、それらの配合割合によって幾千幾万通りの種類の釉薬がつくられます。ちなみに現在よしざわ窯では27色の釉薬(2017年9月)を器のイメージや形、そして季節感に合わせて選んでいます。その27色は試行錯誤の末にようやくできたものや、テストの最中に偶然にできたご褒美的なものなどさまざまです。

そしてこの夏、ヨシザワさんがシックなグリーンを求めて挑戦をしていました。毎日壁に向かい、金属など原料の配合比を調整しながら、つくったテスト釉薬を陶片に掛けて試し焼きをする…そして窯から上がった陶片をじっくりと眺めては「違うな~」と言ってまた同じ作業へ…の繰り返し。ヨシザワさんのデスクの後ろにあるコンテナにはいつの間にかテスト用の陶片が積み上がっていました。
茶色が強すぎたり、青白くなったり、緑が濃すぎたり…思い描くグリーンを生み出す道のりは秋風を感じる9月に入ってからもなお続いていました。
そして先週!ついに28色目となる新しいグリーンが誕生。(写真の中央に置いた花菱皿が完成した色です。その周りを囲むように置いたのがテスト陶片の一部。)銅から出たツヤのない深いグリーン、全体的に錆びたような黒褐色も混じり、何とも言えないシャビー感のある「アンティークグリーン」になりました。この28番目の釉薬の名前は『銅錆釉』(どうさびゆう)。

そしてこの『銅錆釉』、一客一客で色幅が大きく、二つと同じ色がないというくらい繊細でやや不安定さもあるのですがそれもいいところ。窯の中の予測できない化学反応が生み出す色んな表情が手作りの器の魅力だったりするからです。ヨシザワさんが手塩にかけた新しい釉薬を掛けたのは数年ぶりの製作となった「花菱皿」です。10月頃にご紹介できればと思っています

追記:何度もテストをしながら新しい釉薬を見つけていくという様子はどこか「研究」に近い気がします。
新しいグリーンが出来て間もなく、今度は「新しい青色の研究」が始まりました。ヨシザワさんが「違うな~」とつぶやいてはまた原料をはかり直している作業場のあちらこちらに、無造作に置かれている陶片を見ているだけでワクワクしている今日この頃です。

ナカハラ

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